今回の能講座は「殺生石」の能装束の着付け体験です。
実際の着用に近い形で衣裳を着付けていただきました。 こちらは、前シテ里の女で着用の浅黄地色七宝模様の唐織 地色も美しく品格のある印象です。 着付けて頂いた実感ですが、堅くて重い! 身体の自由が効きません! 厳しく制約された中で、あのように舞うとは、想像を絶する世界です。 足の運びも「すり足」になるのは、必然のようです。 また、面を付けると視界が狭くなるのはもちろんですが、圧迫感が強い! こめかみが痛くなるくらいです。 これは、ある種のトランス状態になるのではと思ってしまいます。 こちらは、後シテ 殺生石の石塊(悪狐)の装束。 金稲妻亀甲文様の「厚板」とよばれる装束に、袴に見えるのは、「半切」といいます。 紺地の金稲妻三亀甲飛雲模様の「法被」を付け、腰帯を締め、赤頭を付けて完成です。 清水先生のお話では、能役者は舞台以外のこともできなければならないそうで、 こちらの裁縫道具は、着付けの時や、装束の繕いにも使われるとのこと。 能役者は、針仕事も達者なのですね! 清水先生主演の能「殺生石」を観覧いたしました。 私のような初心者でもわかりやすい物語で、とても楽しむことができました。 前と後ではシテの装束も舞いもガラリと変り、殺生石が割れて悪狐が現れる ダイナミックな演出は、見る者を飽きさせません! 役になりきるプロの姿に感動いたしました。 次の演目も待ち遠しいです!
by Kimono_ogawaya
| 2011-05-13 11:28
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