日本の職人技を紹介してゆく催しとして、今回は「絞り」をクローズアップしました。 2月9日(土)、あいにくの雪になってしまいましたが、多くのお客さまがご来店下さいました。 講師は、京鹿の子絞 染色部門(染分け)の伝統工芸士 山岸和幸氏。 ご自身で三代目になる、伝統ある絞りの技を継承する名職人です。 絞りは、柄を染分ける技術として、6~7世紀頃には、日本各地で行われていました。 江戸時代前期には全盛期を迎えましたから、友禅より遥か昔からある技法です。 こちらは、「帽子絞り」の実演。 生地に糸を通し、裏から芯を入れて、縫い絞ります。 芯は、染分ける面積にあわせて大きさを変えます。 現在は、塩化ビニルの棒をカットして使っていますが、かつては仕事を終えた後、 新聞紙をきつく丸め、様々な太さの円筒状のものをこつこつと作ったそうです。 実際の仕事以外の準備にも、大変に手間がかかっているのですね。 絞りの種類は、何百もあったそうですが、現在使われるものは、 数十種になっているそうです。 その中で、「本匹田」とよばれる、小さい四角い粒の連続で柄を作る技術があります。 いわゆる、総絞りです。 きもの一枚分は、15万~18万粒も絞ることになり、全部絞るには、約1~2年も! かかるとのこと。 想像を絶する、大変に根気のいる仕事です。 こちらは、「桶絞り」。桶の外側に出ている部分だけが染まります。 一回の染色で、一色しか染めらないため、何色かに染める場合は、 この作業を繰り返します。 私は、「絞り」の魅力は、シンプルかつ、大胆な柄の構成と、 細かい手技の積み重ねによる、飽きの来ない、深みのある立体感だと思います。 今後もこの会で、普段は見ることのできない職人さんの尊い仕事と、 その技によって創られる、時代を超えて着ることのできるきものを紹介してまいります。 最後になりますが、足元の悪い中、おいで下さいました皆さま、誠にありがとうございました。 そして、伝統工芸士 山岸様、お手伝い頂いた木原様に感謝申し上げます。
by kimono_ogawaya
| 2008-02-13 16:50
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